難感染性細胞

目次

一般的な接着性の株化細胞では、市販のトランスフェクション試薬でCas9/sgRNAを比較的効率よく導入できます。一方、免疫細胞などの浮遊細胞や一部の初代培養細胞では、一般的なトランスフェクション法では導入効率が低く、ゲノム編集が難しい「難感染性細胞(難導入性細胞)」が存在します。本記事では、こうした細胞の特徴や主な作製手法、外部委託時の注意点について解説します。

難感染性細胞とは?

難感染性細胞(難導入性細胞)とは、プラスミドDNAやRNAなどのゲノム編集因子を細胞内へ効率よく導入することが難しく、一般的なトランスフェクション法では十分な導入効率やゲノム編集効率が得られない細胞を指します。

代表例として、T細胞株(Jurkat細胞など)をはじめとする浮遊細胞や、株化されていない初代培養細胞が挙げられます。これらの細胞は、免疫細胞治療の研究や、生体に近い疾患モデルの構築に重要である一方、ゲノム編集の難易度が高いことが知られています。

難感染性細胞への
ゲノム編集の主な用途

  • 免疫細胞治療研究:T細胞などの免疫細胞にゲノム編集を施し、細胞治療の研究に応用する。
  • 初代培養細胞での病態再現:株化された細胞よりも生体に近い性質を持つ初代培養細胞へゲノム編集を行い、生体に近い病態を再現する。
  • 基礎的な遺伝子機能解析:難感染性細胞にノックアウト・ノックインを導入し、細胞種特有の遺伝子機能や生物学的役割を解析する。

主な作製手法

  • エキソソーム様小胞(Gesicle等)を利用した導入:Cas9タンパク質とsgRNAの複合体を小胞に封入し、細胞膜との融合によって直接細胞内に届ける方法。細胞種によっては、一般的なトランスフェクション法より高い導入効率が期待できる。
  • RNP(Cas9タンパク質/sgRNA複合体)のエレクトロポレーション:プラスミドを使わずRNPを直接導入することで、難導入性細胞でも高い遺伝子導入効率が期待できる。
  • ウイルスベクターの利用:レンチウイルスなどのベクターを利用し、分裂の遅い細胞や浮遊細胞への遺伝子導入効率を高める。

ゲノム編集
受託サービス会社の事例

タカラバイオ

タカラバイオでは、エキソソーム様小胞を利用したCas9/sgRNA導入システムにより、Jurkat細胞のようなトランスフェクションが比較的難しい細胞を含む多様な細胞株で、高いノックアウト効率を示した実績が公開されています。

参照元:タカラバイオ公式HP【pdf】(https://catalog.takara-bio.co.jp/PDFS/guide-it_crispr_cas9.pdf)

セツロテック

セツロテックの培養細胞ゲノム編集サービスは、接着細胞・浮遊細胞の両方に対応しており、ノックアウト・ノックインの受託作製が可能とされています。

参照元:セツロテック公式HP(https://www.setsurotech.com/genome-editing/)

GenAhead Bioについて

GenAhead Bioは主にiPS細胞のゲノム編集を専門としており、本記事執筆時点では難感染性細胞(浮遊細胞・初代培養細胞)に特化した公開事例は確認できませんでした。依頼を検討する場合は、対応可否を直接確認することをおすすめします。

外部委託する際の注意点

  • 対応する細胞種の実績:依頼したい浮遊細胞・初代培養細胞での編集実績があるか。
  • 細胞毒性への配慮:導入方法によって細胞毒性や生存率への影響が異なるため、細胞の特性に応じた導入法を採用しているか。
  • 編集効率の確認方法:難感染性細胞は導入効率や編集効率が低くなりやすいため、期待される効率や評価方法について事前に確認する。
まとめ

難感染性細胞(難導入性細胞)へのゲノム編集は、免疫細胞治療研究や生体に近い病態モデルの構築に欠かせない一方、一般的な株化細胞よりも遺伝子導入やゲノム編集の難易度が高い分野です。対象となる細胞種や導入方法での実績を踏まえ、適切な受託会社を選定することが重要です。

     
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ライセンスを使用する
【目的別】ゲノム編集受託サービス会社3選
           

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GenAhead Bio

GenAhead Bio公式HP
引用元:GenAhead Bio公式HP
(https://jp.genaheadbio.co.jp/)
  • ノックイン・レポーター細胞・マルチプルKOなど、一般的なプロトコールから既存プロトコールでは再現できない複雑なゲノム編集まで対応。受託実績は190件超(※)で、他社に断られた案件の引き継ぎにも応じる。
  • プール細胞の段階で編集成否を早期に確認できる独自のCRISPR-SNIPER法を採用。研究スケジュールが逼迫している場面でも、2~3週間でGo/No Goの判定を出し、後工程の遅延・手戻りを防ぐ
納期の目安

2〜3週間

(成否判定)

主な対象生物・細胞種
  • iPS細胞
  • 細胞株
  • 初代培養細胞

マウス・ラット等の
ゲノム編集動物モデルを
作製したい

セツロテック

セツロテック公式HP
引用元:セツロテック公式HP
(https://www.setsurotech.com/)
  • KOマウス・Floxマウスといった幅広い種類の遺伝子改変動物モデルを受託。マウス受精卵へのインジェクション技術を保有し、動物モデル作製を専門外とする研究者でも、必要な仕様を伝えるだけで依頼できる。
  • CRISPR/Cas9での編集が難しいケースに対しても、独自技術「ST8」による代替アプローチが可能。一度の問い合わせで複数の手法を提案してもらえるため、動物モデル作製の選択肢が広がる。
納期の目安

5ヶ月〜

(動物納品)

主な対象生物・細胞種
  • マウス
  • ラット
  • 培養細胞
  • 畜産動物
  • 微生物

ゲノム編集から
オフターゲット解析等まで

一括で依頼したい

タカラバイオ

タカラバイオ公式HP
引用元:タカラバイオ公式HP
(https://www.takara-bio.co.jp/ja/index.html)
  • sgRNA設計・細胞株作製・オフターゲット解析・各種アッセイ(FCM・WB・PCR)まで、複数業者への発注・調整なしに同一窓口で完結。論文提出・社内審査に必要なデータを一貫した品質で揃えられる。
  • 自社開発のCRISPR試薬「Guide-itシリーズ」を販売。その試薬を使って上手くいかなかった場合も、別の受託先を探すことなく、そのまま依頼できる。試薬の仕様を知り尽くしたチームが対応するため、条件設定のやり直しも発生しない。
納期の目安

4.5ヶ月〜

(株・動物納品)

主な対象生物・細胞種
  • iPS細胞
  • 細胞株
  • 初代培養細胞
  • マウス
  • ラット
※参照元:GenAhead Bio公式HP(https://jp.genaheadbio.co.jp/genome-editing/)
情報は2026年8月時点